2021/05/11 14:22

関東の人からすると、「みかんジュース」っていわゆる、砂糖のいっぱい入ったあま〜〜いぽんジュースだそうです。

でも、みかんの本場・愛媛に来ると、砂糖なんて入ってない、薄められてもいない、ただただみかんを絞った汁を瓶に詰めたっていう
まさに"100%ストレートのジュース"が溢れかえっているんです。
みかん本来の味わいを感じられて、それも柑橘の種類や育った農地なんかによっても甘みや濃さなど違っていて、とっても面白いです。
愛媛のみかんジュースは非常に奥深い。

温州みかんっていうと、「真穴みかん」とか「日の丸みかん」とかがブランドで人気ですよね。
これらは全て南予って言って、愛媛県(=伊予)を東予・中予・南予と3つの地域に分けたうちの一番南の地域なんです。
3つの太陽とかいうこともありますが、直射日光と、海からの照り返しと、石積みの乱反射が当たって美味しいみかんが出来上がるとよく言われています。
本当に南予は南向きに山の斜面が海に向かっていて、日当たりも最高。綺麗な段々畑が広がっていて、確かにこんな畑で作られたみかんは美味しいだろうなあと羨ましくもなります。笑
双海の農家さんも、温州みかんでは南予ほどいいものは作れないと認めています。

ですから双海町では、温州みかんよりも「紅まどんな」や「甘平」の生産量が圧倒的に多いのです。
まさに敵地適作ってやつで、双海町・下灘のJAではこれらのブランド柑橘に関して県内でも有数の出荷量を誇っています。
愛媛県が開発したブランド柑橘です。手間はかかるがその分だけ超美味しい。見た目も大きくてあま〜〜く、贈答用にもシーズンがぴったり。っていう品種です。


さて、そんな高級ブランド柑橘たちも、冬の生果の時期が終わってしまいました。
実のなる季節はあっという間・・

昨シーズンは、初めて生果をふたみおうち便にて販売させていただきましたが、
全国のたくさんの方が見つけてくださり、ご注文いただきました。
ありがとうございました。

これらの柑橘は、綺麗なもの、傷のついてしまったもの
形が歪なもの、大きいの小さいのと、千差万別いろんな風に育ちます。(人間と一緒ですね)

よく、東京のデパートなんかで売られるのはまさに一級品で、見た目も味も厳しい審査に通った、ピカイチなごく一部です。
農協さんは、その先の卸屋さん、そしてそのまた先のお客様のニーズに合わせてなのか、綺麗なものしか高くは買ってもらえません。
見た目の良くない、いわゆる訳あり品は、なかなか農協さんでは売れず。売れたとしても10円/kgとかの世界だとか。
青果市場に持っていく農家さんもいますが、いくらで売れるかはその時次第。

訳ありって言ったって、味はうまいんだ。

ということで、これをジュースに加工して、訳ありで売るより価値をプラスして売ろうっていうことになりました。


ふたみファームさん。
双海町で唯一の、農業法人です。

1次産業ってのは世襲がほとんど。長男が親や祖父の畑を継ぐという道が多いですが、
子供は他にやりたいことがあったり、農家の家系じゃない子が農家になりたかったりするのが現実です。

そこで、ふたみファームは世襲をやめ、農業法人にして農家になりたい若者を受け入れました。
高齢化により、次々と増えていく耕作放棄地をこれ以上増やさない。そんな熱い想いのもと、地元の風景を守ってくださっています。

このふたみファームさんが、これから6次産業化にも取り組んでいきたいという想いで作ったこだわりのジュースなのです!!!
記念すべき第一弾です。
去年もベータ版で作りましたが、甘平ジュース100本のみで、一瞬でなくなってしまったため、
今年は甘平の他に「極早生」「マドンナ」「ポンカン」「デコポン」も作りました。全て合わせると1000本以上出来上がりました。

ラベルのデザインも、みんなで迷いながら作りました。
初めてのことなので右も左もわからず、手探りでやっていますが、
なかなかいいものが出来上がったんじゃないかな、と思っています。

ぜひ自信を持って、皆さんに飲んでいただきたいのです。


さらに素敵な話があるのですが
ふたみファームの橋本さんが去年初めて甘平ジュースを作ったのには理由がありました。

双海町には、「愛ある伊予灘線」といい、海沿いを走る鉄道があるのです。
そこに、景色と地元の方々のおもてなしを味わえる観光列車「伊予灘ものがたり」が走っています。

この列車では、車内でお膳やドリンクなどを楽しめるのですが・・・
そこに、双海のものは一切なかったのです。

これには流通とか、商流とか、いろんな難しさがあって、なんですけど
せっかくこの双海町の景色を味わっていただいたお客様に、双海でとれた美味しい柑橘を召し上がっていただきたい!!!
というのが橋本さんの想いでした。

新型コロナウイルスの影響でなかなかスムーズにはいきませんでしたが、
今年ついに、「双海のごくわせみかんジュース」を使ったスイーツメニューが完成。
期間限定で車内でご提供されました。

橋本さんの熱い夢が、一つ叶ったのです。


まだまだ始まったばかりですが
目指す姿は少しづつ明確になってきています。

これからも、前を向いて、できることを増やして、
自慢の双海を農業から盛り上げる方法を考えていきます!!

素敵な未来の始まりを記念して、このジュースでっ!「乾杯!!!」